第57章 導く想いのコン・センティメント【渋谷事変】
新は順平と渋谷の街を駆け、家入のいる首都高速三号を目指していた。そこへ、二体の呪霊が道を塞ぐ。
「うわ……っ⁉︎」
怯む新を庇うように、順平が一歩前へ出た。
新はサポート向きの術師で、体術もあまり得意ではない。
しかもこの呪霊……二級だ。
「あの、吉野さん。失礼ですけど、何級ですか?」
「三級になったばっかだけど……」
「せやったら、すぐに迂回しましょう。もっと安全な道を……」
「迂回? この道を通るのが早いのに?」
眉根を寄せ、順平が微かな苛立ちを露わにする。早く釘崎を家入に診せたいのだろう。その気持ちは痛いほど分かるが……。
「そうやけど……吉野さん、三級でしょ? 俺は役に立てへんし……一人で二級を二体も相手にするなんて無茶ですよ」
しかも、自分の術式で傷の悪化を止めているとはいえ、順平の胸には穴があいており、貧血状態だ。そんなコンディションで敵うはずがない。
そう言うと、順平は大きくため息を吐いた。