第57章 導く想いのコン・センティメント【渋谷事変】
「……私が、弱いから……?」
だから 頼りないとでもいうのか。
だから 選んでもらえなかったのか。
メカ丸が『助けて』と声を上げられるほど、自分は気を許してもらえてなかったのか。
『……違ウ。弱いのは俺ダ。弱いからやり方を間違えタ。弱いから間違いをつき通せなかっタ』
ポツリポツリと、メカ丸が溢すように言葉を紡ぐ。
『大好きな人がいたんダ。どんな世界になろうと、俺が傍で守ればいいと思っていタ。その人が守られたいのハ、俺じゃなかったかもしれないのニ……』
切ない声音に乗せられた想い。
それが まるで自分へ向けられたものだと勘違いしてしまいそうで、胸が震えるほど苦しくなった。
『時間ダ、三輪。元々 この傀儡は保険。長く使えるほど良く出来ていなイ』
「待って、メカ丸!」
引き止められるわけはないと分かっていて、三輪はミニメカ丸をギュッと握りしめる。
「会えるんだよね⁉ 傀儡越しじゃない、本物のメカ丸に! 顔を合わせて、目を合わせて……手を伸ばしたら触れられて……これからも一緒にいられるよね⁉」
『…………』
メカ丸は答えない。
本当は分かっている。メカ丸の抱えている問題が、そう都合よく解決するものではないのだと。
それでも、願わずにはいられなかった。
「会いに行くから! 絶対、会いに行く! だから……ッ‼」
しゃくり上げる三輪へ、メカ丸の声が優しく呼びかける。
『……ありがとウ、三輪。こんな俺をまだ仲間だと言ってくれテ……でも、もういいんダ。どんな形であレ、オマエが幸せなラ、俺の願いは叶ったも同然――……』
不意にメカ丸の言葉が不自然に途切れ、気配が消えた。
「メカ丸? メカ丸! メカ丸……っ!」
ミニメカ丸を胸に抱き、三輪は肩を震わせる。
自分だって、伝えたいことがある。話したいこともたくさんある。
今だけじゃない。
これからだって、どんどん増えていく。
だから――……。
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