第57章 導く想いのコン・センティメント【渋谷事変】
『――もう決着がつく頃ダ。今から渋谷に向かっても意味はなイ。戻るんダ、三輪』
手のひらに収まるサイズの小さな傀儡。そこから聞こえる声に耳を傾けながら、三輪は唇を噛み締めた。
異常事態によって渋谷駅は突然 封鎖され、三輪の乗っている新幹線は長時間の足止めを食らっている状態だ。
事の顛末は全てこのミニメカ丸から聞いた。彼が何をしたのかも、渋谷で何が起きているのかも。
「なんで、東堂先輩と新田くんだけ……」
『東堂は渋谷でも九割九分 死なんと判断しタ。東堂と同行している新田もナ。アイツの術式は役に立――……』
「――私は……ッ!」
メカ丸の言葉を遮り、三輪は声を張り上げた。ミニメカ丸を握る手が震える。
「……私は……役立たず……?」
勝手に自分で決めて、勝手に自分で終わらせようとしたメカ丸に腹が立った。
けれど、それ以上に……頼ってもらえなかったことが悲しくて……そんな自分が情けなくて、悔しかった。
『……もう、そういう次元の話じゃないんダ』
三輪だけではない。真依、加茂、垂水、桃、歌姫……メカ丸は、東堂と新以外の人間が三十一日に、自分たちが京都よりも南の場所の任務に就くよう細工をしていた。
渋谷の惨状や、東堂と新がその応援に向かったと聞いて三輪たちも急いでいるが……このままでは本当に間に合わない。
「……なんで 何も言ってくれなかったの? なんで 相談してくれなかったの? 私たちは仲間じゃないの?」
少なくとも、自分はずっと そう思っていた。
メカ丸は頼りになる仲間で、頼ることの方が多かったが、自分だって、メカ丸の助けになりたいと いつも思っていた。
不思議と気が合って……一緒にいることが多くて……友だちだって、そう思っていたのに……。