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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第57章 導く想いのコン・センティメント【渋谷事変】


『顔面の傷……今のは位置の入れ換え。花御を追い込んだ術師だな』

 真人の声が遠くで聞こえるも、虎杖は立ち上がることができなかった。そこへ、「東堂さん!」と見知らぬ燕尾服の学生服を着た少年が近づいてくる。

「あっちの子らの処置、終わりました。でも、男の子の方は助かりますけど、女の子の方は多分 死んでますよ。後で俺のせいにせんといてくださいね」

「御託はいい。ブラザーも頼む」

 頭が回らない。何の話をしているんだろうか。

「起きろ、ブラザー! 俺たちの戦いはこれからだ‼」

「縁起悪っ……!」

 腹の底に響く東堂の声に、見知らぬ声が掻き消される。だが、いつもなら頼もしく聞こえるはずの呼びかけが、今は重たかった。

「東……堂……俺は……もう、戦えない……釘崎と順平が死んで……七海さんだって、生きてるか死んでるか分からない……」

「七海一級術師が⁉」

 燕尾服の少年の声が驚きの声を上げる。

 蹲るように自分の身体を抱きしめ、虎杖は縮こまった。

「宿儺が……いっぱい殺したんだ……だから……俺はもっといっぱい……人を助けなきゃって……だけど できなかった! 俺はただの人殺しだ‼」

 自分が信念だと思っていたものは、自分のための言い訳でしかなかったのだ。


 ――『オマエがいるから! 人が死ぬんだよッ!』


「俺はもう……俺を許せない……」

 か細く震える声に真人が『ヒヒッ』と嗤った。
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