第57章 導く想いのコン・センティメント【渋谷事変】
『声が小さくて聞こえねぇよ!』
カマキリのように作り替えられた右腕を振り上げて真人が迫る。そこへ、パンッと手を鳴らす音が響き、真人と燕尾服の少年の位置が入れ替わった。
その真人の背中に、東堂が鋭い蹴りを放つ。真人の身体が自分の方へ吹き飛んできて、燕尾服の少年が「いっ⁉」と身構えた。
さらに、パンッと手が鳴らされ、再び真人と燕尾服の少年の位置が入れ替わる。
『ハハッ! 面白い! 分かっててもここまで混乱するものなのか‼』
やがて、東堂が背を向けたまま『ブラザー』と静かな声音で呼んだ。
「オマエほどの漢(おとこ)が小さくまとまるなよ」
――俺たちは呪術師だ。
「俺とオマエと! 釘崎! 吉野! Mr.七海! あらゆる仲間、俺たち全員で呪術師なんだ! 俺たちが生きている限り、傷ついた仲間たちも、死んだ仲間たちも、真に敗北することはない‼」
罪と罰の話ではない。
呪術師という道を選んだ時点で、自分たちの人生がその因果の内に収まりきることはない。
「散りばめられた仲間の傷痕や死に意味を見出すことは、時に冒涜となる! それでも! よく考えろ! 思い出せ!」
――オマエをここへ連れてきたものは何だ?
虎杖はハッと息を詰める。