第7章 ジョコーソに更ける夜
話し合いの末、虎杖の部屋で開催されることが決定した。
虎杖の部屋はまだ荷解きの途中らしく、どこか雑然としていた。
ベッド脇には、水着の女性のグラビアポスターが飾られている。
まぁ、彼も年頃の男の子だ。こういったものも珍しくはないのだろう。
伏黒もこういうものが好きなのだろうか。
そう考えて、胸の内側にモヤモヤとしたものが広がり、詞織は意識してその考えを振り払った。
「ヂャカヂャカ! 自己紹介ターイム!」
ワァッと一人で盛り上がる虎杖。
あまりにもノリの悪い伏黒と釘崎に、詞織は気を遣って拍手をしてみることにした。
「はい! じゃあ、俺から!」
大袋のポ●チを開けて、虎杖は紙コップについたコ●ラを煽る。
「名前は虎杖 悠仁。仙台にある杉沢第三高校から転入。好きなタイプはケツと身長(タッパ)がデカイ女の子! 術式は使えないから、今は呪具で呪霊と戦うスタイルです!」
「はぁ?」
釘崎が呆れたように顔を顰める。
別に、好きなタイプとか聞いてないのだけど。
それに、呪具 屠坐魔は今日 五条から渡されていたものではないか。
詞織はフルーツ缶を開け、黄桃を口へ運ぶ。瑞々しい食感とフルーツ独特の甘みが大好きだ。
「なぁなぁ! 三人はどんな力持ってんだ? 俺、まだ術式とか使えないからさ、スッゲー気になるんだけど!」
まだ術式とか使えないから?
術式は身体に刻まれるものだ。術式を持たない一般人には使えない。
あ、知らないのかな?
そんなことを考えながら、詞織はりんごジュースを紙コップに注いだ。