第55章 永久を願うコン・アモーレ【渋谷事変】
「【符術展開――急々如律令】ッ‼︎」
触れた呪符の効果で、不自然に歪もうとした七海の身体が戻り、ツギハギ呪霊が驚きに目を開く。【術式戻帰】の呪符――お守りとして、常に一枚持っているものだ。
「【自来也】!」
蛙の【折神】が七海の身体に長い舌を巻きつけ、素早く引き寄せた。その身体を受け止め、星良はすぐに火傷を負った七海の左半身に【修復】の文字を書き、抱きしめるように呪力を流す。
「七海さん! 七海さん! 七海さん……っ!」
「よくも……よくも、七海を傷つけたな……っ!」
庇うように前に出た灰原が、唸るように言った。
「濡れ衣。それ、たぶん漏瑚だよ。俺は燃やすなんてできないし」
そのとき、ツギハギ呪霊の背後から少年が跳躍して現れる。虎杖だ。
避けようとしたツギハギ呪霊を、灰原の【自来也】が背後から長い舌を伸ばして貫く。衝撃で意識が逸れたところへ、虎杖の右ストレートが決まり、ツギハギ呪霊が吹き飛ばされた。
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