【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第15章 強襲
今日は朝から激しい雨。時折、雷の音がする。海は大時化だろうとミスティは思った。
『…船、大丈夫かしら。』
窓の外を見ながら今日、帰ってくる夫妻を案じた。
──
「レインさん、船大丈夫ですかね?」
「難しいかもしれないな。とりあえず海軍には港に着いたら電伝虫で連絡する手筈だが…」
悪天候は不測の事態を招きかねない。レインはセツナに万が一に備えるよう指示を出した。
──
昼を過ぎた頃、屋敷に控える衛兵がレインの元にやって来た。
「Mr.スティルハート、ご主人様達がお戻りになられた模様です。門を開けても?」
「何!?」
海軍からの連絡は無い。何故だ?
「俺が行くまで待つように伝えろ。」
衛兵にそう伝え、ロゼにはアリス様と部屋に居るよう、セツナには自分と来いと夫々電伝虫で伝えた。
急いで玄関に向かうと待つように言った門が既に開かれており、海軍と一緒に居る主人が目に入った。
「何故開けた?」
レインは衛兵に問い詰めた。
「申し訳ございません。海軍の方からこの悪天候で船がかなり揺れた様で奥様が体調を崩されたと申されまして…仕方なく。」
「すまんな。この悪天候で電伝虫が繋がらなかった。」
1人の海兵が答えた。
(こんな奴居たか?それに夫人が体調不良…)
見ると夫人の姿が見当たらない。
「夫人は?」
「世話人と海軍の方に付き添われ部屋へ…」
「何!?」
レインはセツナにここを護れとアイコンタクトを取り夫人を追いかけようとした瞬間、
バンッ!!
銃の音が屋敷内に響いた。レインは弾の飛んできた方を睨みつけた。
「おい、誰が動いて良いと言った?」
先程の海兵がレインに銃口を向けて言った。
「…誰だ?お前。」
レインは海兵を睨みつけながら言った。同時に主を護るようにポジションをとるセツナを確認した。
「名乗る必要は無い。俺達は雇われてんだ。たかが取引にCPが動くとはな。まぁ上手く入れた。」
レインにとっては瞬殺で仕留めることが出来る相手だったが黒幕が分からねば今後同じような目に遭いかねない。
「誰に雇われた?そいつは何処だ?」
「雇い主はお目当ての処だよ!」
「何?…はっ!」
(アリス様!)
「気付いたか?今更遅い!お前が邪魔だったが時間稼ぎには十分だ!」
(…ロゼ!!)