【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第14章 意外な一面
※レイン視点
床の鳴る音の主はロゼだった。慎重に何かを此方に運んで来る。見たところ、怪我は無さそうだが…
「おい、ロゼ何が…」
「わぁ!!凄い!!ミスティさん、凄いね!!」
興奮したアリス様の声に遮られた。
『はい!上手く膨らみましたね!アリス様のかき混ぜ具合が良かったからですね!』
はぁ?膨らんだ?かき混ぜ具合?…一瞬卑猥な事を連想した俺。バレたらこの2人に総スカンだろう。
「これで冷ましてから飾り付け?」
『そうです。冷ます間にクリームとチョコレート、フルーツの用意をしましょう。』
楽しそうな2人を前に俺は混乱した。分からない…状況が。
「おい、ロゼ。何している?」
『えっと…アリス様とバースデーケーキを…』
「ケーキ…侵入者は?セツナが血だらけで俺の所に来たんだが。」
『侵入者!?え、何かあったんですか?セツナさんが怪我を?』
何だかズレている…
『アリス様と私はお昼頃からずっとここで作業をしておりましたので…此方には何も異常はありません。』
「そうか。ならセツナは何で…」
俺と此奴のやり取りを見ていたアリス様が思い出したように答えた。
「あ!セツナさん、ちょっと前に此方に来られました。でもミスティさん見るなり顔を押さえて慌てて出ていかれました…あれ?鼻だったかな?」
『「は?」』
俺と此奴の声がハモった。
『え?私?』
自分を見ながら変な所を探すロゼ。俺もロゼを見た。厨房に来てから初めてしっかり…
「…っ」
あぁ、と俺は納得した。
(あの野郎…)
任務中は俺達と同じスーツないしはジャケットスカートのセットアップ等を着ていたロゼ。だが、今の此奴の格好は深いV字のTシャツに殆ど脚が出ているショートパンツ。そして極めつけは黒いフリルの付いたエプロン。服の露出が激しいことと相まって所謂男の喜ぶ裸エプロンの状態。
(セツナの野郎、鼻血吹きやがったな)
俺は近くにあった椅子に座り、部下を心配した俺が馬鹿だったと後悔した。
すると肩をトントンと叩かれた。
『あの、有難うございました。』
「何がだ?」
『アリス様にアドバイス…お陰で今に至ります。』
離れたところでアリス様が嬉しそうにクリームを混ぜている。
「あぁ、別に俺は何も。」