【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第12章 友達からのお願い事
※レイン視点
「レインさん、良かったんですか?」
任務までの間、滞在するホテルに一旦戻ったところで部下のセツナに声を掛けられた。
「何がだ?」
「ロゼさんのことです。うちの案件なのに巻き込む形になった挙句、1人だけあんなことに…」
セツナの言う通りだ。アイツはウチのメンバーではない。コリンに頼まれやって来たようだが、殆ど聞かされていなかったのだろう。俺の顔を見たアイツの反応を見れば明白だ。
「まぁな。」
「それに組んだ事ない初めての人と要人警護って…コリンの友人のようですが大丈夫なんですか?」
セツナは最もな不満を口にした。
「…腕は確かだ。」
「腕は?」
「信頼は無いに等しい。」
俺の発言にセツナはマジかというような顔をした。
「元々CP9は少数精鋭。単独任務も多く表に出せない内容も多い。アイツの実績は上には認められているようだが、内容は明かされていない。実際、俺も任務は今回が初めてでアイツの動きを見たのは1年以上前に1度きりだ。」
俺はアイツを初めてエニエス・ロビーで見た時の事を思い出していた。まだ、六式を会得出来ていないアイツにコリンを使って葉っぱをかけたことが功を奏したのか、纏う雰囲気から強くなった事が窺える。
「ただ、今回は仕方ない。ウチのメンバーが誰一人認められなかった上に時間もない。ロゼに頼むしかない。」
「まぁ、確かに。悪い人では無さそうだし仲良くなれるかな…」
「…仲良く?」
「はい!あんな素敵な人、中々いないじゃないですか!どうせなら仲良くなりたいし。あ、もしかしてレインさん狙ってます?」
俺は部下には恵まれていると思う。コリンやセツナを始め、俺を慕ってくれる者が多い。だが、コリンもセツナも昔から俺の女関係に口出ししてくる。特にコリンに至っては今まで誰一人認めなかった。まぁ、別に今までは恋人ではなく打算的な関係やその場の流れで関係を持つ事ばかりだったから余計にそうかもしれないが。
その2人が好感を持つロゼ・ミスティという女。何故か2人はアイツの事になると俺にふってくる。俺だって今回がアラバスタ以来の…と考えそこで思い出した。
「任務に集中しろ」
俺はセツナの問に肯定も否定もせずそう答えた。
(あの時、警告はした。お手並み拝見だな)
──今度は容赦しない、と。