【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第10章 砂の王国での出会い
ミスティは再びレインディナーズに来ていた。昨日は収穫は無かったが、朝なら人も少ないし目当ての人物が居ると思った。
店の鍵は開いていた。思った通り人は見当たらず、夜の賑わいが嘘のようにガランとしていた。
ミスティはホールの中央まで進み、何もない空間に向けて言った。
『ねぇ、居るんでしょ?Ms.オールサンデー?』
暫しの沈黙の後、カツっと床を鳴らす音がした。音のする方を見れば背の高い女が立っていた。
?「私に何かご用?」
(やっと会えた…)
『分からない?私がここに来た理由。Ms.オールサンデー…』
流行る気持ちを抑えミスティは言った。
『いぇ、ニコ・ロビン!!』
「!?トレスフルー…」
『遅い、剃!』
一気に彼女との距離を詰め、海楼石の手錠で拘束した。
「…貴女、世界政府の人間なの?」
海楼石の力で力の入らないニコ・ロビンはミスティを見上げ言った。
『…半分正解で半分不正解』
ミスティは彼女をずっと追っていた。あの日、ドラゴンに誓った責務を全うすべく今まで潜入してきたのだから。いつもの長官の手伝いをしながら見つけた資料にニコ・ロビンの目撃情報があった。そこから計算し、丁度いい隠れ蓑のあるBWの本部があるアラバスタと目星を付けミスティはここに来たのだ。
『私は貴女を捕まえに来たんじゃない。貴女を護るために来たの。』
ニコ・ロビンは驚いているようだった。当然だろう。政府の人間なら血眼で探している要人のニコ・ロビンが居れば問答無用で連行されるのだから。
「…何故貴女が私を?」
『私は貴女を護るために世界政府へ潜入している革命軍の兵士なの。だから半分正解で半分不正解。』
「…革命軍」
勿論、革命軍の存在は知っているが、世界政府は革命軍にとっても敵のはず。知りもしない相手の為に敵の本丸に潜入するなんて…
『時間が無いから端的に言うわ。政府は必ず貴女を捕まえに此処にやって来る。貴女が行く先行く先に現れては貴女を狙ってくる。だから私は内部から貴女の情報を操作して時間稼ぎをするから諦めずに必ず逃げ延びて。革命軍が必ず貴女を探し出してくれるから。』
そんなことをしたら彼女は無事では済まないはずだ。なのに何故、彼女はこんなにも力強く断言出来るのだろう…
「それで…貴方はどうなるの?」
それは──