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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第60章 パンクハザード


───とある研究所内


「おい、終わったぞ。」

「シュロロロロ……!!ご苦労。これで奴等はまた生きていける…俺の為に。」

「……何かあれば呼べ。」

そう言うと男は出て行った。

「相変わらず読めない奴だ…」


───


ビュオォォォ……


部屋の中に居ても吹雪の音が聞こえる。ローは窓の外に目をやった。雪と氷に囲まれた世界は白以外の色で表すことは困難だった。

「……ちっ」

昔の忌々しい記憶が思い出され唇を噛んだ。

「やっとここまで来た…だがまだだ。」

足りない。ローはそう思った。

数ヶ月前、ローは此処パンクハザードに辿り着いた。辿り着くことが困難とされるこの島でどうしても調べたい事があった。その為に、政府の狗だと揶揄される王下七武海への参入を決めた。そして偶然出会った世界政府の諜報機関CP9の1人ミスティの力を借り此処までやって来た。そして今に至る。短期間である程度の情報は得た。証拠も押さえた。あとは歯車を壊すだけ。しかし、シナリオは出来ているのにそれに必要な何かが足りない。その何か…所謂、鍵が何なのかローにも今の時点ではまだ分からなかった。

ローは子電伝虫をポケットから取り出した。

「…おかしい」

お互いが来(きた)る時に向け、必要な準備をする為にローとミスティはポーラタング号を下り別行動を取っていた。別行動をとってもローはミスティと一つだけ約束事をした。無事を確認する為、1コール連絡を寄越せと。律儀なミスティは毎日決まった時間に1コール鳴らし無事を知らせていた。

しかし、定期的に鳴っていた子電伝虫がここ数日は静かだった。そろそろアイツも新世界に入った頃だろうとローは考えていたが、何かあったのかもしれない。

「……どうした……ミスティ」

ミスティの強さは知っている。ロー自身、今まで何度も助けられてきた。今は信じるしかない。ローは自身に言い聞かせた。


ブー!!……ブー!!


その時、建物内に警報音のような音が響いた。

「こんな場所へ……何者だ?」

ローはそう言うと鬼哭を担ぎ建物の正面玄関へと向かった。
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