【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第58章 人魚姫の涙
───ギョンコルド広場
「しらほし姫と!!!」
「きゃあ」
「ジンベエが罠にかかりましたァ!!!」
「ぬう」
ドサッ
新魚人海賊団による暴挙とこの国の行く末を見届ける為に集まった国民の前に、鎖で縛られた一国の王女とネプチューン軍の嘗ての軍隊長が連れてこられた。
「これは幸運だ!!!ジャハハハハハハハ!!!」
既に捕らえられ縛り付けられた国王と3人の王子を背に、ホーディは二人を見下ろしながら嬉しそうに叫んだ。
「危惧していた二人が一気に捕まるとは!!!こんなムシのいい話があっていいのか!!?」
"麦わらのルフィ"に誘拐されていたと聞かされていたしらほし姫と、七武海を辞めた後この島を出たはずのジンベエが共に居る事に、状況が飲み込めない国民達。そんな国民を尻目にホーディは続ける。
「ジャハハハ…さァこれで必要な顔は出揃った!!思ったより容易い作業だったな…───あとはどう動くのかわからねェのが"麦わらの一味"今頃、竜宮城の入口でも探して途方に暮れてる頃だろう」
ホーディは嬉しそうに高らかに宣言した。
「仲間の"死"に怒り…ここへ現れても迎撃の準備は万端た」
ホーディがそう言うと広場の入口からぞろぞろと魚人や人間が集まってきた。
「武器を使える魚人族7万人!!!ここ一ヶ月で海中で捕らえた人間の奴隷3万人!!!」
「……!!!」
「閉ざされた魚人街から移住してきた締めて17万人の無法者共だ!!!!」
「「「ウオオオオオオ!!!!」」」
地鳴りのような雄叫びに国民はどうすることも出来ない。嘗てホーディも憧れたアーロン。その妹であるマダム・シャーリーの声も勢いづいたホーディや新魚人海賊団には届かなかった。
「おれはお前の兄とは違う!!!そりゃあガキの頃は…お前の兄アーロンは魚人街中の憧れだった!!!」
「……!!」
「───だがおれ達は"力"を手に入れ!!!実際、今じゃ"アーロン一味"の名は結束の為の空っぽのシンボルでしかねェんだよ!!!見ろこの規模を!!見てろこの実力を!!!おれの作戦は10年前から既に始動してる!!!教えてやろうか……!!!」
そしてホーディは自身がしてきた事を国王や国民、仲間達の前でぶちまけた。
"このリュウグウ王国の…お前らが愛して止まねェ王妃!!オトヒメを殺したのはおれだ!!!"