【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第57章 海底の楽園
「事実かそれは!!ホーディの奴が!!?」
「何と竜宮城がそんな大変な事態になっておったとは!!」
「ゾロ達はじゃあどうなったんだ!?」
少し遅れて合流したナミからの報告に一同は焦る。上陸しては毎度騒動を起こすか巻き込まれるかするクルーなだけに騒ぎは慣れっこ。だが、腕っぷしのたつ戦闘員のゾロが捕まったとなれば只事では無い。そして今居るのは海の中なのだ。陸とは違う環境も厄介だった。
「わかんない。あんたに会えたら戻ろうと思って」
取り敢えず船長であるルフィに事の次第を伝え、元来たルートを戻ろうとするナミ。
「お父様が捕まったなんてそんな事信じられません!」
「しらほし姫、大丈夫じゃ。奴ら実際はまだ王国に手出しなどできん!!」
「え………本当ですか?」
「ああ…少しルフィ君達に話をする時間をいただきたい。王は必ずわしがお助けする!!」
「……はいお願いします。親分様……」
『……。』
───
(…何か面倒な事になっちゃったわね)
ミスティは溜息をついた。麦わらの一味は仲間を助けた後、しらほし姫と魚人島を助ける為に動くようだ。1週間程度で地上に戻ることが出来ると思っていた数時間前の自分を悔やんだ。
しらほし姫の事は助けてあげたいとミスティも思う。だが、ミスティにはやらなければならない事がある。何よりも優先してやるべき事が。
『…ごめん、ロー…』
ミスティはローの為にも早くドレスローザに向かわなければならない。今日(こんにち)迄の諜報活動で不穏な動きがある事を知った。ローが来る迄に可能な限り危険因子は排除しておきたい。それなのに…
幼き頃、見てみたいと願った美しい海の中。だが、それは絶望的な壁として、今ミスティの前に立ちはだかった。
───遠いな…何もかも…