【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第56章 予期せぬ乗船
───シャボンディ諸島近海海中
ゴボゴホボ…
「海面がもうあんなに遠い…!!」
「絶景だ!!潜水艇でもこんなワイドな窓はつけられねェもんなァ!!!」
「沈んでくぞ〰️〰️!!どんどんどんどん!!本当に水入らねェのか〰️〰️!?心配だ!!」
「人の住む世界が遠のく感じ…ドキドキする……!!」
シャボンに包まれたコーティング船から見える海の中の景色に、麦わらの一味は夫々が思った事を口にした。慌ただしくもあったが、無事に皆揃って2年振りの船出となった。2年の月日の経過で大きく成長したであろう仲間の姿にお互いに興味を示し話題は尽きない。
そんな中、フランキーが真面目な顔でナミに尋ねた。
「ナミ、船はもう少し安定してんのか?」
「うん。今はまだ大きな海流に乗ってるだけだから。」
それを聞いたフランキーは仲間全員に言った。
「全員に俺から話しておかなきゃならねェ事がある。」
───
「本当は海底への案内を買って出てくれたのはハチだが…あいつはシャボンディで大ケガを負い"魚人島"で療養中って話だ…!!理由はデュバルとまったく同じ…!!!」
フランキーは旧友の名前を挙げ話を続ける。
「島に残されたこのサウザンド・サニー号を守る為の負傷だ…1年程前、サニー号の存在は海軍にバレ激しい戦いになり2人はそこでリタイアした。」
「え!?じゃあそこから今日まで船が無事だったのは?」
質問者のウソップをはじめ皆が同じ事を思った筈だ。
「戦士がもう1人いたからだ……2年前、俺達を散り散りにすっ飛ばした張本人"王下七武海"の大男…バーソロミュー・くまだ!!」
「「「!?」」」
『っ!!』
「数日前…俺がサニー号に辿り着いた時ァ…目を疑った……!!!」
フランキーはその時の状況を説明した。激しい攻防戦を繰り広げた跡を身体中に残しサニー号の前に鎮座するくま。そして、フランキーの姿を確認したくまは任務完了だとだけ言い残し去っていった。
そして、フランキーはレイリーから聞いた話も併せて皆に伝えた。くまは革命軍の幹部で一味を逃がした事。海軍により体を少しずつサイボーグ化され人格を奪われる契約を交わしていた事。そして、改造執刀医であるDr.ベガパンクとの間に"麦わらの一味の誰かが再び船に戻って来る日まで海賊船を死守せよ"とプログラムする約束をしていた事。
