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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第50章 新たな可能性


「で、用ってのは何だ。」

帰ってきたローを捕まえるとミスティは船長室に直行した。帰ってきて早々ミスティに無理矢理自室に連れて来られたローは若干不機嫌そうに目の前の人物に問うた。

『…ローはどうやって鬼哭と出会ったの?』

「あぁ?」

『ローと鬼哭って凄く合ってるから…私は今日見つける事が出来なかった。私にはやっぱり剣術なんて無理なのかな…』

「あぁ…そういう事か。」

ローはミスティの質問に納得したように傍に立て掛けた鬼哭に目をやった。

ローが愛用する武器の大太刀である鬼哭。黒い鞘には十字を思わせる白い紋様が施され、鍔には白い毛皮のような装飾がある。帯刀するには大きすぎる巨大な太刀である事からローは移動の際は肩に担いでいる。業物のような位列は無いが妖刀であると聞いた。

「今、俺の所に鬼哭がある事が答えだ。経緯もクソもねぇ。此奴は俺以外が使いこなす事は不可能だ。」

『…そりゃそれだけ大きな太刀だから抜刀するにも一苦労だから扱いが難しいわよね。』

ミスティは鬼哭を見ながら普段のローの戦闘スタイルを浮かべた。

「そう思うだろうな、普通は。」

『うん…』

「確かに此奴は切れ味・強度共に申し分はねぇが他の奴ではそれ迄だ。」

『どういうこと?』

「俺の覇気とオペオペの実の能力が加わる事で此奴の可能性は広がる。誰もが振り向かねぇ様な刀剣でも遣い手の能力が加わる事でその刀剣は業物を超える唯一無二の存在になる。今日勧められたものは所謂一般的に受け入れられるものだろう。お前が探しているものはそん中にはねえってだけだ。無理に探そうとしてもお前と相性が良いものがそこに無ければ意味が無い。」

ローの意見に目から鱗が落ちる思いだった。自分があの立派な刀剣等を手にしてもしっくり来なかった理由が分かった気がした。

「明日の夕方頃なら時間がある。俺も一緒に行く。」

『えっ…』

「最初からそうすれば良かった。お前見る目無さそうだからな。」

『ちょっと…!』

「この島で海賊の心臓確保の目処が立った。明日1日でかたをつける。俺が戻るまで待ってろ。」

ぶっきらぼうな言い方には何だかんだで面倒見の良いローなりの優しさがあった。

『有難う!待ってる!』

ミスティはまだ見ぬ自分の相棒に思いを馳せ自室に戻るのだった。
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