【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第48章 過去への誓いと未来への約束
私の思いにローは一瞬真顔になったがすぐいつもの彼に戻って言った。
「ふん…ドフラミンゴや昔のお仲間に狙われた時に俺達に迷惑を掛けるとか思ってる奴に言われてもなぁ。」
『!!』
「図星だろ?お前が船から下りねぇのは生きている事がバレて狙われた時に一緒に居る俺達にも危険が及ぶと懸念してのことだろ。どーなんだよ。」
『…だって、相手はあのドフラミンゴよ?それに世界政府に知られたらずっと追われる立場になるわ。』
私はまさかローが私の思いに気付いていたとは思わなかったが、私がそう思うのも当たり前ではないか。相手はあの王下七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴ、そしてドフラミンゴと通じる世界政府なのだ。ニコ・ロビンとまではいかないが私が生きていると知られれば色々厄介だ。
「ハートの海賊団を舐めるな。そんなヤワじゃねぇ。簡単に殺られたりしねぇよ。俺の力になりたいとか言ってビビってんのか?ミスティちゃんよ。」
『なっ…!!』
「俺は必ずアイツを倒す。そしてコラさんの本懐を遂げる。今の俺じゃあ無理だが来る時に備え強くなる!だが、お前の言う通り相手が相手だ。俺は刺し違える覚悟だ。お前はそんな俺に付いて来れんのか?」
あぁ、この人は本気だ。自分の死さえも必要な通過点のような言い方に心が傷んだ。私は言いたかった。
──死ぬのはダメ!ローが死んだらベポ達はどうなるの?皆、貴方を慕って貴方になら命を預けても良いって思って一緒に居る。本懐を遂げる事は止めない。でも必ず皆の所に生きて帰るって約束して!
『分かった。貴方がその気なら私は貴方を死なせないよう守ってみせる!必ず…!』
「ミスティ…」
『その為には私ももっと強くならなきゃ。ドフラミンゴに殺られっぱなしじゃ気が済まないわ!』
「まぁ、お前がどれだけ使える奴になるのか期待しないで待っててやるよ。」
ローがニヤッと口元に笑みを浮かべた。今日初めての笑った顔だった。
『はぁ?見てなさいよ?そうと決まれば鍛錬、鍛錬♪』
「おい!まだお前はリハビリ中だろ!!」
『分かってまーす!』
私は身体を動かす為に甲板に向かって飛び出した。だからローが言った言葉は聞いてない。私が居なくなった部屋に響いたローの独り言。それまた聞かせてね。本懐を遂げた時に…約束だよ?
──ありがとな、ミスティ。
