【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第48章 過去への誓いと未来への約束
ザァー…ザザーン…
『退屈ね…』
私は波の音を聞きながら暇を持て余していた。
『心配掛けちゃったかな…』
先程のベポの顔が過ぎった。何だか余計な心配をかけてしまった気がするなと反省した。
確かに私はこれまで島に下りたことが無い。でもそれはベポや皆と一緒に行きたくないとかそういう事では決してない。どちらかと言えば皆と一緒に楽しみたい方だ。でも出来ない。
だって私は…
──ガチャ
『誰っ!?』
「俺だ…何だその顔は。」
部屋に篭っていた私は扉が開いた事で酷く驚き警戒してしまったようだ。
『あ…うん、ごめん。皆、島に下りたと思ってたからローが居るなんて思わなかったから。』
「ベポが心配していた。お前の体調があまり良くないかもしれないと言っていた。」
やはりベポは優しい。でも体調は大丈夫なんだよ。
『じゃあローは診察に来てくれたんだ…有難う!でも私…』
「俺は診察に来たわけじゃねぇよ。」
『えっ…?』
「お前、何を隠してる?」
『やだな…隠してるとか。そんな事ないよ。』
ローの鋭い眼光が此方を捉えて離さない。
「そうか。なら今から俺と島に下りるぞ。俺の用に付き合え。」
『えっ…それはっ!』
私の腕を掴み立ち上がらせようとしたローに私は抵抗した。
「どうした?暇だろ、お前。良いじゃねぇか。ほら、行くぞ。」
ローは掴んでいた手に力を込めて私を引っ張った。このままでは外に連れ出されてしまう。
『ロー1人で行きなよ!私は部屋に居たいの。』
「いいから、行くぞ。」
『やめてっ…!!』
ドンッ!
引かないローに私は声を荒げて突き飛ばしてしまった。気にしてくれているローに理由も言わず拒み、挙句突き飛ばすとは幻滅されただろう。
『あ…ごめん、なさい。私…』
先程より離れた所に立っているローに心配そうに視線を向けるとローは私の行動を予想していたみたいに私を見ていた。そして呆れたとでも言いたげに口を開いた。
「ハートの海賊団もなめられたもんだ。」
『…っ!』
「まぁいい。話がある。俺の部屋に来い。」
口調は普通で断る事は出来たが、私の本能が行くべきだと言っている気がして部屋を出ていくローに続いて私も部屋を出た。