【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第41章 同期
※レイン視点
「此処…でいいのか?」
俺は指定された場所に来ていた。思っていた雰囲気と違い何度も店の名前を確認した。
"Cafe Chocola──カフェ ショコラ"
何とも可愛らしい名称だ。店内や併設されているテラス席は女の客やカップル客で殆ど埋まっていた。
正直、入りたくない。俺一人では無理だ。店先でどうしようか悩んでいると店のドアが開き店員らしき女性が声を掛けてきた。
「いらっしゃいませ。当店にご用ですか?」
「あ、まぁ…待ち合わせで。」
「では中へどうぞ!」
店員に促され仕方なく店内に足を踏み入れるとザワザワし複数の視線を感じた。いや、感じると言うより刺さると言った方が良いのか。
席につき取り敢えず注文したコーヒーが運ばれ一息ついても居心地の悪さは変わらなかった。
「チッ…あいつ、早く来いよ。」
未だ現れない相手に舌打ちをした。
?「あら。同期の私にそんな事言うなんて相変わらずね?」
背後から女の声がしそのまま向かいの席に座った。
「…カリファ」
「久しぶりね?レイン。」
メガネをクイッと上げ妖艶な微笑みの同期の女が懐かしそうに俺の名を呼んだ。
「そうだな…それより何故此処なんだ。もっと他にあるだろ?」
カリファが来てから感じる視線は減ったがこうも見られると落ち着いて話も出来ない。
「あら、良いじゃない?此処だと色々カモフラージュになるし。貴方にとっても…此方にとっても。早く座ったら?」
そう言うカリファの視線は俺ではなく別の所に向いている。その視線を辿った俺はその理由が分かった。
「ロブ…ルッチ!」
そこには嘗て殺戮兵器と呼ばれた元CP9最強のロブ・ルッチの姿があった。
「段取りはお前に任せると言ったが何故此処なんだ?」
ドカッとカリファの横に腰を下ろしたルッチも俺と同じのようだ。
「追われている私達と謹慎中のレインが会っているところなんて見られたら色々マズイじゃない?此処ならそういう心配も無さそうだわ。」
2人のやり取りの中で俺の謹慎処分の事が出た時点で元CP9のメンツが追われながらも色々調べていたという事が分かる
「…まぁ良い。早く始めろ。」
「ええ、そのつもり。」
カリファが俺に向き直り微笑んだ。
「じゃあ、早速だけど教えてくれる?」
──ミスティが死んだワケを。