【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第39章 戦争のアト
頂上戦争から数日、世界経済新聞の記事が世間を騒がせた。
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此度の戦争で一躍時の人となった麦わらのルフィことモンキー・D・ルフィ。戦争で命を落としたポートガス・D・エースの義弟であり、革命家ドラゴンの息子、延いては海軍中将ガープの孫である事が発覚した。
麦わらのルフィは戦争で消息不明となっていたが、生きていたことが分かり、元七武海"海峡のジンベエ"と海賊王の船の元副船長"冥王シルバーズ・レイリー"と共に再び海軍本部に現れた。
3人は軍艦を奪うとマリンフォードを一周した。これは海における【水葬の礼】である。
その後、麦わらのルフィは大胆にも一人で広場に踏み込み広場の西端にある"オックス・ベル"を16点鐘。そしてまだ広場に残る傷跡に花束を投げ込み堂々とたる黙祷を捧げた。
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マリンフォードは現在、町の復興の為の作業員や世界各地より集まる野次馬、そして各国の取材陣達が居た事も相まってこの記事は世界中へ出回る事となった。
傍から見れば義兄や白ひげ、この戦争で命を落とした全ての者達への追悼であるととれる行為だが、16点鐘には別の意味がある。
16点鐘とは年の終わりと始まりに、去る年に感謝し鐘を8回、新しい年を祈り鐘を8回、締めて16回を鳴らす海兵のならわしである。
そして、時期外れの16点鐘は"時代"の終わりと始まりの宣言。
──海賊の時代が新たなる時代を迎える