第36章 信じた正義の行末

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Dear カレン


カレン、突然の事で驚いていることでしょう。
強引な真似をしてごめんなさい。でも、残された時間が少ない私が貴女に出来る唯一の恩返しです。

いつか貴女が話してくれた医療の勉強がしたいという夢の話。叶えて欲しい、私に手伝わせて欲しいと思った。だから何も言わず受け取って欲しい。

私、今回の任務に就けばカレンとはもう会うことは出来ないと思います。死んでも生きてももうCP9には居られないと思うから。それだけ危険な任務になると思うし別の意味で嫌な予感がするの。

私の日々の些細な変化に気付いて対応してくれるカレンだからもう気付いていると思うけど私は政府の役人ではないの。世界政府に潜入し諜報活動をする為に送り込まれた革命軍の兵士です。騙していてごめんなさい。

信じて貰えないかもしれないけどCP9としての任務に手抜きは一切無いし貴女との付き合いの中で嘘はない。ある人物を守る為にどうしても必要だった。

でも、海軍や政府の一部の人間にその事実がバレた可能性が高い。今回の任務がわざわざCP9の私に与えられたのも恐らくそれが原因。正体を見破られたスパイの末路は死あるのみ。覚悟はしていたけどもう少し此処に居たかったな。私の事が公になり騒ぎになれば給仕の貴女にも迷惑がかかる。だから、今しか無い。私の事は忘れ医療の道を進んで欲しい。

カレン、この数年間、スパイとして孤独な人生を送る予定だった私は貴女のお陰で人間らしい生活を送る事が出来た。日々の生活で感じる喜怒哀楽がこんなにも幸せなものだと感じる事が出来た。有難う。

あともし今後CP9の皆に会うことがあったら伝えて欲しい。貴方達の聖域を汚して申し訳なかったと。私みたいな付け焼き刃の六式で同じCP9の任に就いたことを謝りたかったけど直接は無理みたいだから。そしてもっと違う形で出会いたかった…

もっと伝えたい事は沢山あるんだけど気持ちを伝えるって難しいね。


カレン、今まで本当に有難う。幸せに。



From ロゼ・ミスティ


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