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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第36章 信じた正義の行末


「…っ」

男の目が開いた。重い瞼を何度か動かし意識を覚醒させる。見えるのは真っ白な天井。感じるのは心地の良い風。

(俺は……)

自分の置かれた状況が分からず動けずに居たが懐かしい相棒の声がした。

クルッポー…!!

「ハットリ…」

窓辺には自分を心配そうに見ている鳩のハットリが居た。手を伸ばそうと身体を起こした男の身体に激痛が走った。

「…くっ!?」

見れば上半身にはこれでもかと言う程の包帯が巻かれており治療の痕が見られた。身体も自分のものとは思えない程、鉛のように重かった。

──ガチャッ

「…?」

「!!ルッチ!?目が覚めたのね!!」

部屋に入ってきた女は驚いた様子で駆け寄ってきた。

「気分はどう?」

「カリファか…まぁまぁだ。」

「貴方ったら中々目を覚まさないから…皆心配してたのよ?」

「……。」

女はニッコリ微笑むと医者を呼んでくると言い部屋を出て行った。暫くすると恰幅の良い男と女が部屋に入ってきた。医者と看護士と思われる2人は男を見るなり涙を流した。

「良かったよ!目が覚めて!」

「ホントに!酷い怪我だったからどうなる事かと思ったけど。」

軽い診察を行いもう暫く安静にと言い2人は出て行った。入れ違いで騒がしい輩がゾロゾロと狭い部屋に入ってきた。

「おうおう、漸くのお目覚めかぁ?ルッチ!」

「素直に心配したと言えんのかのぅ…」

「全くだ。」

「ジャブラが1番慌てていた!チャパ!」

「あァ〰️〰️ホントにィ〰️〰️良かっ…」

「貴方達、静かに!ルッチは病み上がりなんだから。」

騒ぐ男達は女の一喝により静かになった。女は溜息を吐き寝台前に置かれた椅子に腰を下ろした。

「ホントに良かったわ。貴方が目を覚まして。」

そう言われた男は自分が眠っていた時間が長かった事を改めて感じた。そして気になっていた事を口にした。

「…任務は?…エニエス・ロビーはどうなった?」

その言葉に皆が一様に顔を曇らせた。先程の騒がしさが嘘のように口を噤んだ男達を見兼ね女が口を開いた。

「ニコ・ロビンは麦わら達と逃げたわ。エニエス・ロビーはバスターコールにより破壊され瓦礫の山ね…」

傷だらけの自分の状況を見るに良い事にはなっていないと感じていた男だったが女の言葉に認めざるを得なかった。





──我々"CP9"が"敗けた"のよ
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