【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第33章 あの日に戻れるなら
──革命軍総本部バルティゴ
「ニコ・ロビンが政府に捕らえられただとっ!?」
任務続きで久しぶりの帰還となった俺を迎えたのは労いの言葉ではなく驚きの事実だった。ニコ・ロビンは長年革命軍が必死で探していた女だ。それが政府の手に落ちたとなると…
「その件で参謀総長に総司令官よりお話があるそうで直ぐ来て欲しいと。」
「直ぐ行く。」
俺はドラゴンさんの部屋に向かった。
──
「ドラゴンさんっ!!」
「サボか。よく戻った。任務の件は後で聞く。それよりも…」
「ニコ・ロビンの件ですね?政府に捕らえられたというのは本当ですか?」
「あぁ。ウォーターセブンで捕らえられエニエス・ロビーへ連行された。」
なんてこった。エニエス・ロビーへ連れて行かれてしまっては革命軍としては手が出せない。何か手立てを考えねぇと。
「ニコ・ロビンはエニエス・ロビーへ連行されたがウォーターセブンで色々あったらしく一緒に居た仲間が追っているようだ。一先ずその者達に託すしかない。」
「仲間?…そうですか。希望はあるんですね…では何故俺を?」
俺の質問にドラゴンさんは真っ直ぐ俺を見て言った。
「お前に伝えておかねばならない事がある。」
──
「サボ。先程のニコ・ロビンの件だが何か気付いた事はないか?」
「気付いた事…ですか?」
「あぁ。」
そんな事、急に言われてもなぁ。ニコ・ロビンは8歳から賞金首になった事もありその名を知らぬ者が居ないと思わせる程の知名度を誇る。だが、長年身を隠しながら生きてきたせいかその手掛かりは掴めず接触出来ずに居た。世界政府の力を持ってしても結局逃げられていた。その度に俺達もヒヤヒヤものだったが…そう言えば、あれはいつからか。
「2~3年程前からニコ・ロビンの情報が世に出る事が減ったような。政府の情報を盗聴しても以前程収穫がありませんでした。政府も掴めてなかったんでしょうか?」
「流石だな。サボ。」
俺の言った事が的を射ていたのかドラゴンさんに褒められた。
「正確に言えば確かに情報はあった。だが、ニコ・ロビンへ政府の手が届かぬよう内側から操作していた。」
「は?政府の人間が?まさか…そんな事。」
そんな危険な事誰がやるんだ。たとえ政府の中に協力者が居たとしてもそんな事出来る奴は中枢の人間に限られる。ましてや外部の人間が潜り込む等……潜入?
