【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第32章 9番目の正義の名のもとに
──ガレーラカンパニー
傷付いた自分を見下ろすニコ・ロビンと仮面を被った暗殺者4人にアイスバーグは声を上げた。
「帰れ!!!おめェらに渡す物などない!!!」
「……なくては困る…」
クルッポー…
牛のような仮面をつけた暗殺者の方に見慣れた鳩が止まった。
アイスバーグには見覚えがある鳩だった。それは部下の相棒ともいえる鳩だから。
「まず、何から話せばいいのか…」
「!!?」
「死にゆくあなたに」
仮面をとった暗殺者の正体にアイスバーグは目を疑った。
「な……!!!」
シルクハットを被り直した男が言う。
「あなたにはがっかりさせられた」
「ルッチ!!!」
他の3人の暗殺者も順に仮面を取っていく。
「あんたが悪いんじゃぞ…」
「カク!!!」
「政府が大人しく申し出とるうちに……渡さんからこうなる」
「──できる事ならあなたを傷つける事なくこの町を思い出にしたかった」
「カリファ……!!!」
「頑固さも師匠ゆずりか……」
「酒場の…ブルーノ!!!」
自分を暗殺しようとしている者が世界政府の人間だと大方予想はついていたアイスバーグだったが、その政府の人間がまさか身内に居たとは考えもしなかった。
「……!!お前ら…政府の人間だったのか……!!!」
アイスバーグの問いにルッチが答えた。
「そう…潜伏する事など我々には造作もない任務……しかしあなたの思慮深さには呆れて物も言えない…!!!」
少し離れた所に立っているニコ・ロビンは静かに聞いている。アイスバーグは同じ釜の飯をつついた仲間達の豹変ぶりに現実を受け止めきれていない。
「古代兵器プルトンの設計図──そのありか…多くの犠牲者を出す前にお話下さい。」
外の騒がしさとは比較にならない程の静かな部屋に冷たい声が響いた。