【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第28章 大参謀つる
※レイン視点
『1つ…お願いがあります。』
キスしようとした俺を寸止めしたミスティの顔からは先程までの笑みが消えていた。
「どうした?」
そう尋ねるとミスティは下を向きボソボソっと答えた。
『終わったら…私の誕生日お祝いしてくれませんか?その、2人で…』
「誕生日?」
『はい…去年は私眠っていたので。』
そう言えばあと半年であれから1年経つな。ミスティが瀕死の怪我を負い眠り続けた忌まわしい記憶が俺の脳内で再生された。まぁ、正確に言えば2人で過ごしたことは過ごしたのだが…コイツが知る由もないか。俺がそう思っているとミスティが慌てたように言った。
『やっぱり無理ですよね!任務とかあるし…』
「分かった。その日は空けておく。」
『本当?』
「あぁ。」
『…嬉しい///』
ミスティの顔に笑みが戻った。
「お前の20歳の誕生日、2人で祝おう。だから約束しろ…必ず生きて戻って来い。何があっても、どういう状態でも必ず俺の所に。分かったな?」
『うん…』
ミスティの返事を聞いた俺は再びミスティを抱き締めた。このまま離したくない。ずっとこのままでいたいと思った。俺の背に回された腕がミスティも同じ思いだと物語っている。
「…もうキスして良いか?」
『態々聞かないでっ///』
抱き締めていた腕を緩め見つめ合うとミスティの顔は赤みを帯びていた。
「ミスティ…愛してる。」
『レイン…私も貴方を愛しいます。』
俺達は船が来るまでの間、マリンフォードの港でお互いの気持ちをぶつけるかのようにキスを繰り返しずっと抱き合って離れずに居た。
──ミスティ、絶対無茶するな。