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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第28章 大参謀つる


「諜報活動ってのは苦しいし辛い。善良な人間ほどそう感じるもんだ。そして時には命の危険もある。」

そう言ったつるの顔はどこか寂しそうだった。部下を亡くしたのだろうとミスティは察した。

「CPの中でもアンタのいるCP9は特にだ。そしてアンタはその中で諜報活動に就いている。期間が長ければ長い程、潜入先の人間達へ感情移入する者も居ると聞く。私はね、それが悪いとは思わない。だけどいざと言う時に命取りになる。」

諜報部員は情報収集等をする為に長期で潜入する事がある。今ルッチ達がしているように。そして、時には敵地に赴く事もあり、潜入先で対象者達と関わる事で同情や恋情等を抱く者も少なくない。そう、まさに今のミスティがそうなのだ。そしてその状況はいざと言う時に自分を追い詰める要因になるとミスティも分かっていた。

「だから大体の諜報部員は感情を殺し壁を作る事で作り物の顔しか出来なくなってしまう。」

ミスティは革命軍に居た頃を思い出した。色々な感情を隠す為に作り物の顔しか出来なかった。あの頃は特にそうだったと思う。でも今は…

「アンタもそうだと思っていたけど、さっきみたいな顔が見れて安心したよ。」

つるは優しい眼差しでミスティを見た。

「レインの事、好いているのかい?」

『…っ!?』

シリアスな話から急にレインの事を振られたミスティは焦った。

「おやおや…CP9が誇る美人諜報部員にしては素直な反応だね。」

『あ、いえ。その…』

「隠さなくて良いよ。年長者はね、無駄に人生重ねている訳ではないからね。見れば分かるんだよ。」

『…好きです。大切な人です…私にとって1番。』

つるに観念したミスティは素直な気持ちを言った。レインへの思いをこうもハッキリ伝えたのは初めてだ。

「そうかい。あの子もやるねぇ。アンタみたいな娘に好かれるなんざ100年早いが。」

『いぇ、私の方が彼に釣り合っていない。』

「おや?そんな風に思ってるのかい?」

呆れたようにつるは答えた。

「アンタの気持ちは紛い物かね?」

『違いますっ!!』

「なら必ずあの子の元に帰りな。その気持ちを強く持っていればアンタはこの先もやっていけるよ。」

強く否定したミスティに満足したようにつるは言った。そして最後に付け加えた。

──どんな任務もね、と。
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