【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第27章 海軍の御用Ⅱ
「こちらをお使い下さい。」
「あぁ。」
『有難うございます。』
次の日、海軍本部へ向かう為、海軍の軍艦に乗り込んだミスティとレインは航海中に過ごす部屋へと案内された。
「何かあればお声がけ下さい。」
若い海兵はそう言うと持ち場に戻って行った。
『あの…私にも用って何ですか?』
「さぁな。気分屋のあの人の考えている事を考える事自体が無駄だ。」
昨夜、海軍本部に向かう際に一緒に来るようレインに言われたミスティは心中穏やかではなかった。レインも知らないと分かり不安が過ぎる。
「心配するな。俺が居る。」
『はい…』
大将からの呼び出しに不安が払拭出来ないまま数日間の航海が始まった。
──
「おい、あの二人って何者だ?」
「いや、分からねぇ。普通の観光客の2人にしか見えないが…クザンさんからの命だしな。」
「海軍大将の知り合いって何者だ?」
2人の事で海兵達の話は持ち切りだった。態々ルートを変更し乗せた2人。大将の1人青雉ことクザンからの命で、ある島で男女の観光客を拾って海軍本部に送り届けて欲しいと…言われたのはそれだけ。それだけで分かるものかと皆が思った。
だが、指定された島に船を着けると明らかにオーラの違う男女が立っていた。美男美女。それに尽きる。強いて付け加えるなら"超絶に"。
「まぁ、知らされていないとは言え、クザンさんの知り合いである前に一般市民だ。何事もなく送り届けよう。」
2人の正体を知らない海兵達はそう意気込み持ち場に戻った。
──
数日経った夜、ミスティはふと目を覚ました。あまり船内を出歩かないよう隣で眠るレインに言われていたが外の空気が吸いたくなり甲板へ足を進めた。
ガチャ…
『っ、寒っ…』
思ったより今日は風があり冷えていた。船縁に近づき新鮮な空気を吸い込んだ。
「危ないので船縁には近付かないで下さい!!」
ビクッと肩を揺らすと若い海兵が慌てて駆け寄ってくる所だった。
『ごめんなさい…少し外の空気が吸いたくて。』
「そこは危ないので此方に。」
そう言い船尾の方に案内された。
『有難うございます。』
「いぇ、ずっと船内だと息が詰まりますよね。気付けなくてすみません。」
『あ、いぇ、そんな…乗せて貰っている身なので。』
そろそろ戻りますと伝えミスティは部屋に戻った。