【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第26章 恋人との休暇
「…眠れねぇ」
あれから自身と戦い続けたレインは結果眠れず朝を迎えた。いつもならストレスが溜まるところだが今日は違う。
「可愛すぎんだよ、お前。」
レインは嬉しそうに呟き腕の中で眠るミスティを見つめた。ミスティとはこうして朝を迎えるのは初めてでは無い。だが、今の2人の関係は以前のような曖昧な関係では無い。恋人として迎えた朝はレインの心を満たすには十分過ぎるものだった。
レインはミスティの頭を撫でると起こさないようにベッドから降りバスルームへ向かった。
──
『…ん』
ミスティは窓から差し込む光で目を覚ました。怠さの残る身体を半身起こし隣に居ないレインを探した。
「起きたか?」
ガチャっと扉の開閉音と共に愛しい人の声がミスティの耳に届いた。
『…良かった。』
「どうかしたのか?」
レインはバスタオルで髪を拭きながらベッドに腰を下ろしミスティの顔を覗き込んだ。
『…前みたいに居なくなっちゃったのかと思って…』
動きの止まったレインに気付きミスティは胸元のシーツを手繰り寄せ赤くなった顔を隠した。
フッと笑みが漏れたように感じた時にはミスティはレインの腕の中に居た。
『えっと…///』
「っとにお前は…我慢出来ねぇだろ?」
レインはそう言うとミスティの項に手を添え自身の顔を近づけた。
『んんっ…レ、インっ』
「…黙ってろ。」
レインから与えられキスにミスティも応えた。角度を変える際に唇が離れる僅かな時間さえももどかしく感じる程の熱いキスを繰り返した。
プルプルプル…
そんな2人の熱のやり取りを遮るかのように電伝虫が鳴った。ミスティはサイドテーブルの上に居る自分の電伝虫を横目で見た。変わらず目を伏せ鎮座している姿を見るに鳴っているのはレインの電伝虫のようだ。
「随分余裕だな?」
『えっ…んふっ、ん…///』
この状況で続けるレインにミスティは焦った。
プルプルプル…
『ん…レイン!出ないとっ』
「ちっ…分かった。」
レインはミスティを解放し電伝虫を掴むとソファの方へ歩いていった。
(聞かない方が良いわよね…)
ミスティは例え同じCPであっても聞かない方が良いと判断しその場を離れバスルームへ向かった。