【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第25章 女の気持ちと男の思い
真っ直ぐ自分に向けられる視線。優しくもありその瞳には色と熱を帯びていた。
『貴方が…私を?』
自分の状況とレインの立場を考え諦めようとした思い。だが、まだ心のどこかでそうあって欲しいと願っていたミスティ。
「あぁ。」
『でもっ!私は…貴方には相応しくない、から…』
「CP9だからか?それとも…他の男と寝たことか?」
『…っ!』
レインの問いかけにミスティは唇を噛み下を向いた。そんなミスティにレインは続けた。
「CP9である事は上が決めた事だが手を汚す事を気にしているなら辞めるか?ただ、お前が居て助けられた奴は沢山居る事を忘れるな。」
『……。』
レインはミスティの反応を見ながら言葉を選んでいた。ミスティはレインより5つも歳下で加えて女だ。場馴れはしている為その界隈だけなら問題はないが、表しか携わらない他のCPやアリス様やカイのような子供を含め一般市民と接する事で自分を卑下してもおかしくない。だから寄り添う人間が必要なのだ。
「辛いなら俺を頼れ。だがそれだけじゃねぇだろ。お前。」
目を合わせようとしないミスティが僅かに反応した。
「他の男と寝た事は俺がどうこう言える立場では無い。俺のせいでもあるからな…」
レインは下を向いたままのミスティの髪に触れ耳にかけてやった。瞬きをすれば今にも溢れそうな涙でまつ毛は濡れていた。
「俺はお前を抱いたあの夜、お前を都合の良い女にする気は毛頭なかった。だがお前の好意にも応えてやれなかった。」
レインはミスティの顎に手を添えゆっくり自分の方を向かせた。
「お前を不安にさせたのは俺だ。立場上、傍に居る事が出来ない俺はお前にきちんと伝えておくべきだった。悪かった。」
『レイン…』
「お前の気持ちが俺にまだあるなら今度こそ俺の女になれ。」
『…でも』
「戻ってこい。ミスティ。」
ミスティは迷った。レインは他の男と関係を持った自分の事を許そうとしている。しかも、一切責めずむしろ自分に非があったと。
『…良いの?私で。』
「俺はお前が好きだ。何度も言わせるな。まさか本当にその男に気があるのか?」
『違う!!ルッチとは…はっ!』
「…ルッチだと?」
ミスティはしまったと思ったがレインの耳には届いてしまった。自分を抱いた男の名が──