【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第23章 トラブルメーカー
『っ…!』
「あ、申し訳ない。起こしてしまったかな?」
痛みを感じたミスティが目を開けると消毒脱脂綿を片手に微笑む男性が居た。
『…ここは?』
「医務室だよ。私は医者。君の怪我を診るよう言われてね。」
『すみません…』
「仕事だから気にしないで。滲みたかな?悪かったね。」
『あ、いえ…』
ミスティは身体の怠さから相槌程度にしか会話が出来なかった。鉄塊状態を保っていたことでかなりの体力が削られていたようだ。
「はい、これで終わり。傷は残らないからね。」
『…有難うございました。』
「ドレス素敵なのに残念だったね。」
医者の男性はミスティの着ているドレスを見ながら言った。
『地味…ですよね。』
「いや?君の魅力が活かされている見事なドレスだよ。でも君なら白も似合うだろうな。」
『白…』
ミスティは会場で見たステラの装いを思い出した。
『有難うございました。私はこれで…』
「あ!君!まだ寝てた方が…」
ミスティは痛む身体を無理矢理起こしベッドを降りると医務室から出て行った。残された医者の男性は気まずそうに呟いた。
「何か気に触る事言ったかな?」
──
ミスティはパーティーのあったホテルを出ると自分が宿泊しているホテルに向かった。
『疲れた…』
歩きながら今日の出来事を思い返した。休暇で来たリゾート地でアリスに誘われパーティーに行けば、レインやサボに会うし、おまけにあと一歩遅ければ死んでたかもしれない。
『来るべきじゃなかったな…』
華やかなリゾート地の為か、時間の割に人の往来がまだあり男女の組み合わせが多いように思う。
(恋人同士かな…素敵な所だし)
昼間は太陽の光を浴びてキラキラ輝く海と白い砂浜のコントラストが美しいビーチも夜になればその雰囲気は一変しロマンチックな大人なムードを醸し出す。
『…早く戻ろう。』
痛む身体に鞭を打ち、早々にその場を立ち去りホテルに戻った。
──
「参謀総長お疲れ様です!」
「あぁ…」
「報告です。以前、我々が追っていたブルイヤール・ネーベルの件ですが…」
「死んだと聞いたが?」
「ネーベルは死にました。その際にCPと相打ちと報告しましたがCPは生きていたようです。島で見掛けたので一応報告しておきます。資料はここに。」
「分かった。」