【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第2章 自由を求めて
昨日の火事は規模の割には大事にならなかったと聞いた。
主犯はブルージャムって言う海賊だったようで海賊団全員が巻き込まれたとのこと…
海賊と聞いて真っ先に浮かんだのがサボが連れていかれる際に近くに居たという海賊のこと。まさか…ね。
自室から見えた暗闇で燃え盛る赤い炎が焼き付いて頭から離れない。本当に大したことはなかったのだろうか。国中が何かを隠しているような、見ないフリ・気づかないフリをしているような気がしてならない。
(サボ…会いたい)
「サボ…」
バルコニーからサボの屋敷の方を見ながら呟いた。サボの事を考えると気分が沈んでしまうので、気分転換にお茶でも飲もうと部屋の方に向かって踏み出そうとした。
その時─
ガっ!!
(えっ!?誰!?)
後ろから腕を回され抑え込まれた。口も塞がれ声を出すことが出来ない。
『ん~~~っん~~~っ』
(…怖い)
「ミスティ、俺だ」
(っ!?この声!!)
抑え込まれていた腕が緩み、口元も開放された。息を大きく吸い込み勢いよく振り返ったそこには、会いたかった少年がニカッと笑い立っていた。
『サボ!!』
「おぉ!驚かせて悪かっ…」
ドン!!
「っ!!ミスティ??///」
『サボのバカ!!心配したんだから!!』
振り返ったミスティはサボに抱き着きギュッと背中に回した腕に力を入れながら声を荒らげた。
「…悪かった。心配掛けて。」
サボは答えながら気付いた。ミスティの身体が震えていることに。申し訳ないという気持ちとミスティを安心させてやりたい気持ちから、サボもミスティの背中に左手を回し、右手で頭をポンポンと優しく叩いた。
『!!ぐすっ…ホントだよ。も~~~でも無事で良かった。会いたかった…』
「あぁ、俺もミスティにずっと会いたかった。」
会えなかった分を取り戻すかのように暫く抱き合っていた。
暫く続いた沈黙を破ったのはサボだった。
「…ミスティ、話があるんだ」
サボは真剣な面持ちでゆっくり話し始めた。不確かな物の終着点で起きたこと、この国のこと。
──そして、2人のこれからのこと。