【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第2章 自由を求めて
※サボ視点
父親に連れ戻され久しぶりの我が家。
いつの間にか弟が出来ていた。名はステリー。
(ムカつく顔だぜ)
ミスティに会えずイライラしている俺に、そのムカつく顔をした弟が教えてくれた。
"不確かな物の終着点"でこれから起きる悲劇を。
世界政府の「視察団」が東の海を回っており3日後にこのゴア王国にやって来る。今回はその艦に世界貴族…"天竜人"が乗っているとのこで国中が大騒ぎ。王族達は少しでも気に入られようとこの国の汚点を全部焼き尽くすことにしたというのだ。
「あそこには沢山の人間が住んでるんだ!!住む場所も失うし…!!みんなその"ゴミ山"から生活資源を見つけて暮らしてるんだぞ!!」
「…放せ!!…お前話を聞いてなかったのか?」
"この国の汚点は全部燃やす"
──そう、そこに住む人達も。
家を飛び出したサボを待っていたのは、何も異変のない日常。
当たり前のようにゴミ山の火事を知っていると言う貴族共。
(エース…!!ルフィ…!!この町はイカれてる……!!これから人が死ぬと知ってもメシを食い…!!勉強しろと言う)
ハァハァ…
(ゴミ山から逃げろ!!!この国の人間達は今夜…!!!国の汚点を焼き捨てる気なんだ!!!)
ハァハァ…
―不確かな物の終着点―
「みんな起きろ!!!逃げろォ!!!」「四方八方から火の手が!!!」「ここに居ちゃあ助からねェ!!!」「家を捨てて逃げろォ~~~!!!」「消火は不可能だァ~~~!!!」
逃げ惑う人々。泣き叫ぶ人々。
「海岸はもうダメだ!!!」「森の入口も火の海だ!!!」「どこへ行けばいい!!?…逃げ場がねェ~~~!!!」
ハァハァ
?「…どうした少年」
「……!!おっさん…ハァ この火事の犯人は…ハァ…"王族"と"貴族"なんだ…!!ハァ…本当なんだ」
「…この町はゴミ山よりもイヤな臭いがする…!!ハァ 人間の腐ったイヤな臭いがする!!ハァ …ここにいても…!!おれは自由になれない…!!」
「──おれは…貴族に生まれて恥ずかしい!!!」
?(──とうとう子供にコレを言わせるのか…!!!ゴア王国!!)
「ミスティ…ハァ…早く2人で海に出よう!!自由になろう!!迎えに行くから待ってろよ!!」
人により放たれた火は夜通し燃え続けこの国の汚点を跡形もなく焼き尽くした──