【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第18章 大事な女
「ご苦労様です。スティルハート殿。」
「あぁ…」
1ヶ月程の任務を終え、本部に帰る俺を海軍の軍艦が出迎えた。
「奥でお待ちです。」
「…分かった。」
(何でまたあの人が…)
俺は海兵に案内され船の奥に向かった。
──コンコン
「お連れしました。」
海兵が目的の部屋のドアを叩き声を掛けると中から特徴のある緩い声がし、海兵は扉を開け俺に入るように伝えると自分はこれで、と持ち場に戻って行った。
「久しぶりだなぁ、レイン。」
「貴方程の人が一(いち)CPの俺に何の用ですか?」
俺は目の前の男を怪訝そうに見ながら言った。
「いやぁ~久し振りにお前に会いたくなってな。」
「…気持ち悪い事言わないで下さい。」
「そぉ言うなって~丁度お前の所に用があったからな。」
「…用?」
まぁ座れよと言われ室内にあるソファに促された。
「半年前にお前が就いた任務だ。海軍の失態でお前達CPに迷惑かけちまったからなぁ~」
「……。」
無意識にグッと手に力が入った。
「…悪かったな。お前の部下、死にかけたんだろ?」
「まぁ。ただ、正確に言えば俺の部下ではありませんし、今も死んだようなもんです。」
「…そうか。」
そう話すレインを男は見ながら続けた。
「まぁ、とりあえず用があるついでにお前を送っていく。着くまでゆっくりしてろ。」
「…はい。」
──
男はレインの事を考えていた。
「あのレインがなぁ~」
レインとは古い付き合いだが、あんなレインは初めて見た。相当こたえたのか。まぁ、流石の俺も部下が傷つく事に心を痛めない訳では無いが立場上、気にしていたらやってはいけない。レインも上に立つ立場なら耐えなければならない。別に仕事をしていない訳では無いからいいのだが。レインの場合、寧ろ任務ばかり行っているようだ。俺が本部に連絡しても常に不在だった。だから俺から出向くことにしたのだが。
「アイツをあんな感じにする程の部下なら一目見ておかないとなぁ~」
そう考えていた俺に部屋の外から声がかかる。
「何なのよぉ~ゆっくり考え事してた所だったんだけど…」
サボってないで仕事をしてくれと嘆く部下。ちょっと休憩、と伝える俺に部下が叫ぶ。
「クザンさんっ!!」
部下は大事にしないとなと思いながら、俺は愛用のアイマスクをして目を閉じた。