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十六夜の月【アイナナ短編集】

第2章 二夜目.ファンには夢を、君には愛を




—13小節目—
OFF RECORDING


【無自覚】


大和「気になったんだけど、なんでミツ達は俺とエリの関係に気付いたわけ?」

三月「うわー。やっぱ本人は気付かないもんなんだな」

大和「え、なに?怖いんですけど」

三月「気を付けた方がいいぜ?中崎ちゃんと話してる時のあんた、興奮してんのか何なのか、すっげぇ鼻の穴膨らんでっから」

大和「………嘘だあ」

三月「嘘だよ」

大和「嘘かよ!良かった!!」

三月「あはは!さっきの顔、めっちゃ傑作!」

大和「おーい。笑ってないで本当のこと教えてよ」

三月「それなら簡単だって。あんた自分では気を付けてるつもりかもだけど、彼女のことスッゲー見てるから」

大和「えっ?ま、またまた!嘘だぁ」

三月「こっちは嘘じゃねえよ!特に、中崎ちゃんが他の男と喋ってる時な」

大和「あ、あの。もうやめて」

三月「若いイケメンが相手とかならまだ理解も出来るけど、五十代の人と喋ってる時でさえ殺気こもった視線送っ」

大和「お願いやめてぇー!」

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