Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第51章 生き方
「誰かのために生きることができるのは、人間だけなんだよね。」
ポツリとルーナが言ったその言葉に、ディーターは目を見開く。
それを力強く認識して生きていくことができるのは、まさに人間のみであると頷かざるを得ない。
「ねぇ、ディーター。きっとそれが人間の存在価値であって、人間が人間である理由だと思わない?」
他者のために生きることができる、唯一の人間という存在。
これを力強く認識して生きていくことができるのも人間で、それこそが人間の存在価値であり、まさに人間が人間である理由…
「あぁ、その通りだと思う。俺の生き方は間違ってねぇ。」
「私も。この先何があっても、自分の思うように生き抜けば悔いなんか全くないと言いきれるもん。」
空を見上げて寂しげに笑うルーナを、ディーターは抱き締めたくなってしまった。
しかしやはり理性はそれを許さない。
「くっそ…あいつが羨ましいぜ…」
「え?」
「いや…なんでもねぇ」
アリーといいルーナといい、美女2人を手玉にとっていたあの人類最強にはなんとも嫉妬してしまう。
もやもやする感情を揉み消すように、ルーナの頭をぐしゃぐしゃと掻き回した。
「ちょちょっとお〜!!」
「はははははっ!」
ルーナは乱れた髪のままディーターの手首を掴んでムッとした顔をしている。
こんなところをあの旦那に見られてたら俺は一瞬で殺されるだろうな、と思いながらディーターは最期の瞬間までルーナのために生きようと誓った。