Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第49章 生死
「そして俺は…他の奴らが死ぬことだって恐れてる…」
ルーナはようやく分かった気がした。
なぜいつも、リヴァイがなにがなんでも部下の命を救おうとするのか。
なぜそんなにも、命…生…に執着しているのか。
リヴァイが心臓を捧げる敬礼をしている所を見たこともなければ、その言葉を口にしているのも聞いたことがない。
どのような状況でも、部下が死を選ぶことを許さない。
最後まで諦めさせない。
立て!走れ!逃げろ!動け!
死ぬな!生き延びろ!
いつも部下にはこう叫んでいる。
そして救い出している。
なぜそこまで拘るのか…
それは誰にでも、
自分と同じように大切な人がいるからだ。
死んだら困る人間、悲しむ人間は必ずいる。
必ず生きて帰ると約束した人間がいる。
死んだことにより、待っていた者の人生を変えてしまうことがある。
それを見るのを恐れているのだ。
リヴァイは散々その姿を見てきてしまっているのだ。
悲しみにくれ、発狂し、時には激昂し、時には廃人のようになって人生が変わっていく遺族の姿を…
「死ぬのはいつでもできる。
生きるために努力するべきだ。だから…」
リヴァイはルーナの体をゆっくりと離し、そして全員の目を順番に見ながら言った。
「お前らも死ぬな。絶対に。」
3人の子供たちは真剣な瞳でしっかりとリヴァイを見据え、頷いた。
ルーナとバリスは潤んだ瞳を向けている。
「平和の原点は、人の痛みが分かる心を持つこと…なんだって。地下にいた爺さんが言ってた。」
レオンの言葉に皆は同じことを思った。
人の痛みがわかる心…
まさに、リヴァイのことだろう、と。
そして誰もが考えた。
いつどんなときも生き残っているリヴァイが見てきたものは、きっと想像を絶するものであっただろう、と。