Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第46章 烟月
"大切な何かに気付いた時から、それを失うまでの時間が刻まれていく。その秒針がやけに大きく響いて自分の中の何かを壊していく…"
失うまでのカウントダウンはもうとっくにスタートしている。
あとどのくらいだ?
こいつと一緒にいられるのは…
わからないから怖い。
"それでも大切にしたいと思うのは、人は何かを愛していないと立っていられないから"
そうだ、俺はこいつがいないと…
戦うどころか立ってすらいられない。
"誰かと共に歩む人生は常に難しいわ"
分かってる。
それでも俺はこいつを選んできた。
共に歩んでいくことを誓った。
最期があることはわかってる…
永遠なんてないのだと…
"臆病な人は、愛を表明することができないわ。愛を表明するのは勇敢さの表れでもあるのよ"
ようやくあの時の言葉の意味がわかった気がした。
別れが必ず来ると、わかっているからだ。
いつかある日、突然に来るかもしれない。
それは明日かもしれないし数週間後かもしれないし何年も先かもしれない。
永遠の愛を誓っても、時を刻むカウントダウンは待ってはくれない。
「ルーナ、俺は…」
"愛にハッピーエンドはありえないのよ。なぜなら真の愛に終わりはないからよ"
「お前を愛してる。」
光は闇をも凌駕する。
俺の中の闇を照らしてくれているのは間違いなく…
「お前は俺の光なんだ…お前は俺の…」
月なんだ…
ルーナの唇によって塞がれたその言葉は出なかった。
代わりに、深くて濃厚な、真の愛を確かめ合うようなキスが交わされた。
そのまま互いのバスローブを脱がせ合う。
激しく相手を求め合うその姿は、いつの間にか烟月となった月に包まれていた。