Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第40章 博打
ウォールマリア奪還作戦の日がついに間近にまで迫ってきていた。
中央会議の席では、ダリス・ザックレー総統を挟んで右側には、
エルヴィン、リヴァイ、ルーナ、ハンジが座っている。
そしてその向かいには、ピクシス司令とその部下、そして憲兵団の上層部が数人座っていた。
「ほう。巨人の処刑台か…よくやってくれたな、調査兵団。」
ハンジは相当なドヤ顔で鼻息荒くしている。
それもそのはずで、近頃完成したエレン巨人の硬質化を使った新たな武器で壁外の巨人をみるみる減らしつつあった。
そしてその性質を生かしてウォールマリアの穴を塞ぐという算段も立て始めている。
「ウォールマリア奪還が現実味を増してきたな。シガンシナ区への夜間順路開拓はどうなっている?」
ザックレーの言葉にエルヴィンは冷静な態度で口を開く。
「現在半分を超えた距離まで確保しました。これもあの光る鉱石があって成し得た作業進度です。例の新兵器の実用導入も含め、まもなく全ての準備が完了いたします。」
フーっと深く息を吐いた憲兵が、ジロジロと目の前にいるエルヴィンたちを見据えて声を出す。
「失敗は許されんぞ。何せ、我々兵団が重税を課した貴族の反乱を抑えていられるのも、調査兵団への破格の資金投資も、全ては失われた領土の奪還が前提なのだからな。それをしくじれば全てご破算だぞ?」
こっちの苦労も知らないで…
とルーナが怒りに震えるように、机の下で拳を強く握った。
チラ、と隣にいるリヴァイの膝元を見ると、なんと全く自分と同じ状態で目を丸くする。
横目でリヴァイを盗み見ると、リヴァイは見たこともないほどの冷たい視線でジッとその憲兵を見つめている。
しかし、それは禍々しいオーラを醸し出していて、ルーナには今のリヴァイが相当に怒りを押し殺しているのだとわかった。