Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第7章 第32回壁外調査
すると、どこからか、「ルーナさん!!!」と声がした。
ルーナは馬を止め、必死に耳を澄ます。
斜め右後方からだと分かり振り向くと、よかったルーナさん!と叫び雨に打たれながら馬を走らせてくるサイラムとフラゴンの姿があった。
「サイラム!フラゴン!よかった!!...3人は?」
「お前と一緒だと思ってたんだが...すまん、俺達も見失った...」
そう言って苦い顔をするフラゴンの言葉に血の気がひく。
「と、とにかく探そう!私たちははぐれないようになるべく固まって!この状況だと信煙弾も確認できないしどこから何が飛び出てくるかわからない!」
次第に強くなる雨音に負けないよう大声でルーナは言った。
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「よりによってテスト初日がこんな天候になるとは...」
エルヴィンはギリっと歯を食いしばりながら信煙弾を放つ。
しかし雨のせいで蝋燭のように簡単に消されてしまった。
「班長!信煙弾が確認できません!伝令を待ちますか?」
「伝令?!この中を?!」
「なんて雨だ!こんな降り方見たことねぇ!」
「信煙弾を守れ!濡れると使い物にならなくなる!」
「隊を見失うぞ!目を閉じるな!!」
「ーっ!うぉあっっ!!」
そこかしこで兵士たちの叫び声や、馬が滑って転ぶ音がする。
エルヴィンは意を決したようにキースに声をかける。
「団長、残念ながら索敵の機能は失われました。いつ巨人と出くわしてもおかしくない状況です」