Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第4章 噂
「お願い。リヴァイ…離れないで」
人に弱音を吐いたことは生まれて初めてだった。
自分の中でいつでもそんな言動はタブーである。
「お願い…ずっといて…」
何かを訴えかけるような静かな掠れた声を聞き、リヴァイは腕を緩め顔を離し、ルーナの頬に手を添えた。
互いに見つめ合い、一瞬そこで時が止まったかのようになる。
「ルーナ…?大丈夫か?」
驚いたようなリヴァイの表情。
そこで初めてルーナは自分が酷い顔をして震えていることに気がついた。
「冷たい」
リヴァイがルーナの頬に手を滑らせて目を細めた。
そのまま顔を近づけたかと思えば、ルーナの後頭部に手を滑らせ唇にそっと自身の唇を押し当てた。
「んっ...」
唇を離し顔を互いで確認する。
ルーナの目は明らかに不安一色だった。
リヴァイはわけを聞きたかったが、なぜか聞かない方がいいような気がしてならなかった。
リヴァイはそのまま吸い寄せられるように再度ルーナの唇にキスを落とす。
ゆっくりと舌を入れていくと、戸惑うようにしかししっかりと向かい入れるルーナの舌がリヴァイのそれを絡めとってくれた。
「は...ふ......」
ルーナの吐息が微かに漏れる。
身体が熱を帯び高揚して来ているのが自分でもわかった。
ルーナもリヴァイの頬に手をよせる。
何度も唇を押し付け口内を掻き回し合った。濃厚なキスにルーナは立っているのもやっとなくらい身体が崩れそうになっていた。
酸素が足りなくなり、堪らずお互い唇を離すと、ルーナもリヴァイもハァハァと荒い息を吐き、額をくっつけた。
ルーナの唇の端から垂れる唾液をリヴァイがハンカチを取り出して拭う。
「明日は会えなくても、あさっては会えるだろ」
ルーナの頭に手を置いて優しくリヴァイが問う。
「...うん。絶対、会おう。」
寂しそうに笑うルーナにリヴァイは言った。
「仕事、無理すんなよ。お前がいねぇと掃除がはかどらないからな。」
「ッ!そっち〜?」
むくれて見せるルーナの頭をクシャクシャっと掻き回し
「冗談だ。」
耳元で小さく呟いてまた彼女の身体を抱き寄せた。
わからない…
なぜ目の前の人に吸い寄せられる?
なぜ受け入れてしまう?
なぜ拒めない?
まだ味方かどうかもわからないのに。
2人の今考えていることは同じだった。