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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第18章 プライド


「私は調査兵団団長エルヴィン・スミス。所属兵団を選択する本日、私が諸君らに話すのはやはり調査兵団の勧誘に他ならない。」

壇上でエルヴィンの演説が響く。
ルーナは壇上の隅で正面を覗き見た。
自分の教え子たちの顔がちらほら見える。皆顔が強ばり不安一色といった感じだ。
当たり前だ。
今回また起きた襲撃でここにいる新兵たちも多く死んで行ったのだから。


エルヴィンも同じことを熱弁し始める。

「今回の襲撃で失ったものは大きいがこれまでに無いほど人類は勝利へと前進した。」

そしてエレンの地下室の話という「エサ」を撒き始めた。

新兵たちの表情が変わっていく。

「トロスト区の扉が使えなくなった今、東のカラネス区から遠回りするしかなくなった。4年かけて作った大部隊の行路もすべてが無駄になったのだ。その4年で調査兵団の9割以上が死んだ。4年で9割だ。
少なく見積っても我々が再びウォールマリアに大部隊を送るにはその5倍の犠牲者と20年の歳月が必要になる。現実的ではない数字だ」


改めて現状の厳しさをエルヴィンの口から告げられ、ルーナは目をつぶり深く深呼吸して頭を落ち着かせた。
新兵たちはエルヴィンの言葉にこの世の終わりというような顔をしている。


「調査兵団は常に人材を求めている。今期の新兵調査兵も一月後の壁外調査に参加してもらう。新兵が最初の壁外遠征で死亡する確率は5割。それを越えた者が生存率の高い優秀な兵士へとなっていく。」

新兵たちの表情がみるみる青ざめていく。
当たり前だ。死ねと言われているようなものだ。
ルーナは今回もほとんど残らないだろうと覚悟して肩を落とした。

「この惨状を知った上で自分の命を賭してもやるという者はこの場に残ってくれ。
もう一度言う。調査兵団に入るためにこの場に残る者は近々殆ど死ぬだろう。自分に聞いてみてくれ。人類のために心臓を捧げることができるのかを」

エルヴィンが締めくくり、やはり多くの新兵が波のように背を向け去っていった。
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