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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第16章 トロスト区攻防戦



「別の人がいる?!それは本当ですか?」

「うん。本当。だから...もうどうでもいいの」

ルーナは気を紛らわすように目の前に浮かんでいるハーブを手に取りいじくった。

「ルーナさん、あなたはどうなんですか?あなたはまだリヴァイ兵長のことを」

「それはない。」

シンの言葉を遮るように言った。


「もう...なんとも思ってないから...私が愛しているのはあなただけ」


ならどうしてそんなに悲しい顔をしているんですか?
とは聞けなかった。

ルーナがハーブを手に取ったことにより、水面に映るルーナの顔はハッキリと見えていた。

ルーナのその顔は今までにシンが1度だけ見たことのある、一番悲しげな顔だった。

一番最初にルーナと花壇で会った時だ。
笑っているようでどこか笑っていない。
作った笑顔の裏にはこの顔があった。
そのなんともいえない心の奥底から滲み出るような悲しげな顔をシンはその時も見抜いていた。

だからこの人を心から笑わせたいと思った。
心からの本当の笑顔を見たいと思った。

自分が隣にいなくても、常に本当の笑顔でいられるように...
どうにかしてあげたいと、そう思っていた。


けれど、それが本当にできるのはリヴァイ兵長なのではないかという気がしていた。


この人は気付いていないだろう。
いつもリヴァイ兵長を目で追ってしまっているということを。

それを僕がどんな顔で見ているのかということも。


けれど、何を言っても今のこの人は自分の本当の気持ちと向き合わないだろう。
そしてリヴァイ兵長でさえも。

2人がすれ違い続ける限り、この人の傍にいよう。


リヴァイ兵長があの時言いたかったであろう言葉通り・・・


"この人が自分を必要としてくれている限りこの人の傍で生き続けよう"



「わかりました。」

シンはそう言ってルーナの顎を持ち、角度を変えて優しいキスを落とした。
ルーナの手から落ちたハーブが波紋を描き2人を包み込んだ。
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