Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第3章 call of silence
リヴァイはわずかに目を見開いてルーナを凝視した。
「私はあの頃から、
私のためだけに、悪魔を演じ続けてる。」
彼女は切なげに笑っている。
「そしたらいつのまにか…
本物の悪魔になっちゃった」
不気味にニコッと笑みを零すが、
リヴァイはその笑みがなぜか泣いているように見えた。
「まぁとにかくあの頃は、それ以外に私が生きる術はないと幼いながらに分かってたんだよ。歴史の真実を知ろうとする者は殺される。女だろうと子供だろうとね。」
しばしの沈黙が流れ、ルーナのため息が聞こえた。
夜はこんなにも静かだっただろうかと思えるほどの静寂に包まれている。
「・・・辛いか?」
「うん。さすがにちょっとあれは、辛かったね」
「違う。今の感情を聞いている。」
「・・・え?」
リヴァイは1歩2歩と近づいた。
ルーナは俯いていた顔を上げると、いつのまにか視界は閉ざされ、リヴァイの腕の中にいた。
「話してくれて...ありがとう」
ギュッと力を込めながら言うリヴァイの言葉が耳元で聞こえた。
その優しさに、思わず顔を歪めた。
目頭が熱くなる。
「な・・・んで」
「俺は今お前のことをこうしたいと思ったから、した。お前のことを知りてぇと思って話を聞いたのも俺だ。嫌なら全力で逃げろよ」
ルーナはリヴァイの背中に手を回し、ギュッと返す。
あ、暖かい。
それに、心臓の音が聞こえる。
誰かの鼓動に耳を澄ませるなんていつぶりだろうか。
それにこの感情は…
「あぁ、、辛いなぁ。
こんなに嬉しくても...泣けないなんて...」
ルーナは目をつぶりながらリヴァイの胸の中で言った。
不思議だ。
なぜこんな感情になる?
月が出ているから?
いつか誰かが言っていた言葉を思い出す。
月は、人の感情を増幅させる力があるのだと…
「こんな話…誰にもしたことないのに…」
なんでかな……
なぜかあなたには……
「……。」
リヴァイは何も言わずにルーナの頭を撫でた。
衝動的にしてしまった俺のこの行動の意味はなんだ?
それにこの感情は…?
わからねぇ。
ただ、思うんだ。
なぁ…お前の涙はどこへ消えた?
「またあの歌を...聞かせてくれ」
「...うん」
空には満月が煌々と輝き2人をいつまでも照らしていた。