Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第16章 トロスト区攻防戦
その日、ルーナに嬉しい報告が届いた。
かつての教え子たち104期訓練兵たちが無事卒業したというのだ。
みんなどんな兵士になったかなぁ。
調査兵団には何人入ってくれるんだろう?
エレンは本当に調査兵団に入団してくれるかな。
いろいろと想いを馳せたりしたいところだが、今のルーナにはその余裕はない。
なぜなら今、調査兵団は5年前に破壊されたウォールマリアにきている。
そして巨人に蹂躙され無惨な被害を被ったシガンシナ区の調査に来ているのだ。
予想通り、回収されていない死体や肉片があり、またそこかしこに巨人が入り込んでいた。
ルーナの大切な育ての親、ポーラはあのあとしばらくしてから調査兵団によって回収されたので、今は墓の中に眠っている。
ポーラの亡骸があった場所にだけはルーナは近づきたくなかった。
本当にまたあの時のように気を失ったり声が出なくなったりしてしまいそうだったから。
今日も何名かの班を構成し、ルーナたちはなるべく多くの巨人を仕留めようと奮闘した。
ハンジも奇声を上げながらなぜだか楽しそうに討伐しているのが目に入る。
「ハンジには敵わないな...」
苦笑いしながらルーナが遠くに目をやると、一人の兵士が巨人に掴まれているのが目に入った。
「あぁっ!」
ルーナは急いで立体機動でそちらに向かう。
お願い!間に合って!あぁぁっ!ダメだ間に合わないっ!
その時、すごい速さで巨人のうなじを削いでいく何かが見えた。
早すぎてまるで一本の線にしか見えなかったのだが、あの動きができるのは一人しかいない。
リヴァイは屋根に飛び乗ると、追ってきたリヴァイ班たちになにやら指示をし、あっという間に1人で2体の巨人を絶命させていた。
ルーナは急いで先程巨人に掴まれていた兵士の元へ駆けつけると、持っていた医療用具で止血をし始めた。
あとからペトラも来て、顔を強ばらせながらも手伝ってくれる。
しかし、ルーナの手がピタッと止まった。