Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第15章 無の世界■
「はい、エルヴィン」
ルーナはコーヒーを差し出した。
今日も団長室でルーナとエルヴィンは執務作業に没頭していた。
壁外調査が終わってからの数週間は何しろ忙しい。
負傷者、行方不明者、死亡者などのリストや詳細書類の制作に、
馬の紛失兼発注届けやその詳細資料の作成、
その他今回にかかった費用に詳細兼結果報告と今後についてのそれらなど...
「あぁありがとう。また紅茶じゃないだろうな?」
エルヴィンはクマを貼り付けた目で手を休めずに言った。
「やだなぁ、もう間違えないって。」
ルーナは笑おうとしたが、寝不足と張り付いた大きなクマのせいで思うように顔が動かせない。
ルーナは書類をどんどん整理していった。
クマのなかった時期と変わらないくらいの手際の良さに、エルヴィンは、
ルーナが戻ってきてくれて本当によかったと心底思った。
でなければ、自分は今頃ぶっ倒れているだろう。
「さて、じゃあこれら次はリヴァイの番だね。持ってくね」
それらの書類は兵士長であるリヴァイも全て目を通しサインをしなくてはならないのだ。
「あぁ頼むよ」
クマのついた目が虚ろで三白眼になっているルーナを見て、エルヴィンは、まるでリヴァイそっくりだ。と思ったが、
恐らく今は自分もそうなのだろうと思って言うのをやめた。