Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第14章 画家
以前のように、リヴァイと毎日顔を合わせ、毎晩一緒に掃除ができる。
その当たり前のようで当たり前ではない日々に、ルーナは一生分の幸せを使ってしまっているような気さえするほど幸福に満ちていた。
リヴァイ班の皆とも随分と仲良くなり、ルーナはこのメンバーにいよいよ本気でお礼を考えなくてはと思い続けて1週間以上経ってしまっていた。
どうしても、皆がそれぞれ今欲しいものをあげたい。
ルーナが聞いても「ありません」の一点張りだが、そんなわけはない。
欲しいものが全くない人間などこの世にいないはずだからだ。
リヴァイ班の皆が、リヴァイの命令でまた掃除をさせられているところにルーナは手伝うと言って加わり、それとなく聞いてみようと思った。
「わぁ...本当にルーナさんはお掃除が素晴らしいんですね。勉強になります」
ルーナがやる扉や本棚の隙間掃除の工夫を見ながら、ペトラは初めてのものを見るように瞳を輝かせた。
「ねぇ、同性同士だし、やっぱりペトラには欲しいもの正直に教えて欲しいし、ほかのメンバーにもペトラから聞いといてほしいの!どうしてもお礼がしたいから!お願い!ペトラもっ!なんでもいいんだよ?アクセサリーとか香水とか...いくらでもあるでしょ?」
ペトラは困ったように少し顔を赤らめながら視線を逸らした。
「んーっと...それ...は...」
これは絶対欲しいものを隠してる!
ルーナはそう確信し、「なになに?」とペトラの顔を覗いた。
目を輝かせながら問い続けるルーナの推しに負けたペトラは、ついに顔を真っ赤にしながら答えた。
「あ、あのっ!じゃ、じゃあ、正直に、い、言いますね...」
「うん!!言って!!!!」
ルーナはペトラの手を取り目を輝かせた。
「・・・リヴァイ兵長の...絵です」
「...ん?...え...」
「わっ、私だけじゃないですからねっ?!リヴァイ班の全員が欲しいものがそれですっ」
「え……え?……?…ん?…えって絵?」
「……はい…」
「…………」