Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第3章 call of silence
「その歌、好きだな...」
真夜中だというのに今夜も掃除に勤しんでいるルーナとリヴァイ。
あれから約2ヶ月、毎晩のように2人で掃除をしていた。
昔は掃除は当番制であったが、皆各々訓練の疲れがとれず、罰則がないのを良いことに結局誰もやらないことが多く、当番などはいつのまにかなくなり、気づいた者が時間を見つけて掃除を行うという暗黙のルールができあがっている調査兵団。
待ち合わせの約束をしているわけではないのに、ルーナもリヴァイもどちらかが先に着いていてどちらかがすぐ後から来るというルーティンにいつのまにかなっていた。
「あ、ごめん、うるさかった?」
ははっとルーナは笑いながら食堂の棚のホコリを払う。
「...いや、お前は歌が上手い。だが歌詞が...少し残酷な気もする」
「あー、そうかもね。でもイザベルにとっては子守唄みたいですぐ寝ちゃうんだよ。しかもその日はいびきをかかない!
call of silenceって題名の曲なの。」
「そうか...あいつは親も家族も知らない。これからも...歌ってやってくれ。」
「...うん、もちろん。」
親も家族も知らない...
地下街では皆んなそんな感じなのだろうか?
1ヶ月も2人だけで掃除の時間を過ごしていると必然的にリヴァイとも会話は増え、彼のこともよく知るようになった。
幼い頃亡くなった母親のこと、拾ってくれた母親の知り合いという男のこと、男から教わったこと、地下街でのこと。
そのどれもがあまり明るい話ではなかったが、リヴァイはなんとも思っていないような口振りで話していた。