第2章 潔癖

「私の家は代々医者だったの。いろいろな治療を子供の頃から見たり手伝ったりしてきたからね。もうその家は...ないし...私も大層なことはできないけどね。｣


言いながら、随分と昔のことが目に浮かんでは消えていく。

呟いてから、なんとも言えない表情で見つめてくる3人に気が付いてハッと我に返った。


｢.......だから3人とも、気をつけて訓練してね！」


暗くなりかけた空気を戻すように、最後は明るく濁した。



それからというもの、3人とも自分とは少しずつ打ち解けてくれてよく話すようになっていた。

ルーナ以外の人間には一切心を開かず、威勢のいい顔面を常に貼り付けているが。



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「ねぇ！ねぇってば！ルーナの姉ちゃん！」


「！？」


そうだ今は座学中だった。ついイザベルが可愛くてボーッとしてしまった。


「んー...わかったよ。今日はもう終わりにしよう。じゃあ掃除でもしよっか」

パタンと本を閉じると、ギョッとした顔をしたイザベルとファーランが
それだけは勘弁してくれとばかりに青ざめた表情を向けてきた。




「それは良い。」

そんな二人をよそにリヴァイは呟き立ち上がった。

「早急に取り掛かるぞ」



イザベルとファーランは身体をビクつかせながらコソコソ話をし始める。

(っ！おい、掃除に完璧主義のこの2人がいたら俺らにとっちゃ拷問だぜ)
(どっ、どうする？！逃げるか？！)



うわぁっっ！！！


そんな2人ににっこり笑いながら、そっと掃除用具を差し出すルーナが目の前にいた。