Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第63章 Moon【番外編】
しかし、現状はあまりにも忙しなかった。
中学の頃にバンドを結成して以来、ここまで有名になるとは思ってもみなかった3人は毎日内心ウンザリ気味だった。
事務所で、未だチカチカする目を擦りながらリヴァイは低い声を出す。
「それよりエルヴィン…
なぜお前ともあろう奴が、海外の音楽事情を知らない?」
エルヴィンはパソコンのキーボードを叩きながら苦笑いする。
「いや、すまんな、完全に失念していた。
というか、言い訳じゃないが私はそもそも音楽に関しては疎い。こっちの会社はメインではないしな。」
そう、エルヴィンは全く別業界の会社をいくつも持っているのだ。
そういった社内ではもちろんかつての調査兵団団員がごまんと働いている。
各々の部署にはその道のスペシャリストを育て上げることにも尽力しており、かつてのリヴァイ班といった面々が活躍している。
しかもなんと、病院もいくつか持っており、そこで医者として頑張っているのがレオン、ブルーノ、ロジーネだ。
今回のこの時代では、年齢があのガキ共と近いというのがなんとも複雑極まりない。
しかも、ハンジとミケなんかは同い年だ。
ということは…ルーナは?
ネット上には本人のことが一切載っていない上に、ブログすらもやっていないようだ。
しかもこのクソ忙しい現状だと探しようにもそれが叶わない。
「エルヴィンの圧力でどーにかしてくれよぉぉ」
ハンジの一声に、エルヴィンは大きく頷いた。
「よし…。どうにかする。まぁ、圧力という言い方は語弊があるが。私も早く彼女に会いたいからね。」
しかし…と突然苦い顔をする。
「リヴァイ…君が取材で紅茶が好きなどと言ってしまうからこの事務所があらゆる紅茶で埋め尽くされてきている。どうしてくれるんだ全く…」
「…会社の奴らにでも配ればいいだろうが」
リヴァイの頭の中はもう一つのこと以外考えられなくなっていた。