Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第62章 瞳のその奥
月が出ている夜は、必ず空を見上げた。
夜空に浮かび、何も言わずただ地上にある物全てを静かに見つめる…
煌々と光るそれをただ見つめた。
"ルーナという女神はね、輝く黄金の冠をしていて、額に月をつけているんだ。裾の長いドレスを纏っていて、背中に翼を持つ、絶世の美女なんだって!ルーナの姉ちゃんもきっとそんな感じかな?"
"月の女神ルーナの光のおかげで旅人は道に迷うことなく進めるし、悪事は行われず、夜間の安全が保たれる…そう点字本に書いてあったよ。
月が大きくなればなるほど、人の感情も大きくなるんだ。楽しい気分ならもっと楽しくなるし、落ち込んでいればより深く落ち込む。怒りや悲しみも…
月は感情を増幅させるけど、悪いことばかりじゃない。人を素直にさせたり優しい眠りを与えてくれる…"
「ルーナ…お前とまた…
いつになったら……」
一緒に月を見て
一緒に掃除をして
一緒に寝て、起きて
おはようと言い合って
全部、一緒に……
あの頃みたいに。
なぁ、ルーナ
またあの歌を
聞かせてくれよ…
そのためにまたいつか
俺を見つけて
俺を照らしてくれ……
あの頃みたいに。
闇を照らす光の存在は大きい。
そこに一筋だけでも光が差し込めば、
まるで希望に導かれるように
瞳が輝く。
雲に隠れて月が見えない夜は、
生物を不安にもさせる。
月は夜の太陽とも言える。
闇の恐怖を払う存在。
"光は闇をも凌駕する"
月を見る度に頬に伝う雫は、
いつでも神の光に照らされていた。
Lunatic Fortuna
ーFinー